『SHELLS』 と聞いてまず思い浮かぶスニーカーと言えば、adidas SUPER STARですね。
でも今日はそんな偉大なスニーカーである adidas SUPER STARを手本にした日本を代表するブランド、
asics Tigerのバスケット ボール シューズの話です。
このスニーカーの名前は『FABRE DC-S』。 S=Short。ローカットを意味します。
1970年NBAドラフト全体4位でBOSTON CELTICSに入団し、チームを2度の優勝に導いた
センター プレーヤーである Dave Cowensの名前に由来する由緒正しいスニーカーです。
実際にDave Cowensが着用したのはスウェード アッパーの 『FABRE BL』 ですが、asicsが目指したのは
ゴール下の激しいプレーに対応する、そして大切な足の指先を守る新しいバスケット シューズの開発でした。
1970年代に初めてリリースされたFABRE DCはレザー トゥのシンプルなシューズでした。
これは1977年にJBBAが刊行した全日本綜合バスケットボール選手権のパンフレットの背表紙です。
こちらではレッドポイントソールにレザー トゥのハイカット(DC-LのL=Long。ハイカットを意味します。)が
掲載されています。
つま先にはステッチを入れ、革の伸びを防止すると共に強度アップを試みる仕様であったが、更なる改良が
なされました。
その際にお手本にしたのが、当時最もプレーヤーに信頼を得ていた adidas SUPER STARなのです。
これは決して模倣などということでは無く、プレーヤーの立場を考え常に最高のパフォーマンスを
引き出させることを念頭に置いたモノ作りの原点なんです。
バスケット プレーヤーの為に開発されたこのモデルを探そうと思っても、部活等で履き潰され、殆ど残って
いないと思います。
日本のブランドが世界のブランドに負けじと開発を重ねた偉大なシューズを今日は紹介したかったのです。