SBTG Mark x mita sneakers 国井栄之氏 Puma CLYDE CONTACT “First Contact” “SBTG x mita sneakers” インタビュー


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世界プロジェクトから国内インラインのディレクションまで多岐に渡りスニーカープロジェクトに携わり具現化し続ける「国井 栄之(クニイシゲユキ)」氏がクリエイティブディレクターを務める「mita sneakers(ミタスニーカーズ)」と、スニーカーカスタマイズのパイオニアとして世界中のスニーカーフリークを魅了するシンガポール発のスニーカーカスタマイズ集団「SBTG(サボタージュ)」がタッグを組み完成したコラボレーションモデル「CLYDE CONTACT “First Contact” “SBTG x mita sneakers”(クライドコンタクトファーストコンタクトサボタージュ x ミタスニーカーズ)」。

そのローンチイベントとして、「MARK ONG(マークウォン)」氏が率いる「SBTG」クルーが来日し、「PUMA STORE HARAJUKU(プーマストアハラジュク)」にて「SBTG CUSTOM PAINTING EVENT(サボタージュカスタムペインティングイベント)」が開催された。

また、今回の来日に合わせ「MARK ONG」氏、「国井 栄之」氏にインタビューを行った。

– お二人が知り合いになったのはいつですか?

SBTG Mark(以下、M : ): 約10年前のシンガポールで、とあるスニーカーイベントだったと思います。共通の知り合いを通じて友達になりました。

mita sneakers 国井氏 (以下、国 : ): その時に、僕がMarkのアトリエにどうしても行ってみたくて、その日にアポを取ってアトリエに行かせていただきました。そこで色々なスニーカーの話をして、その時に
「いつか一緒にやりたいよね」
という口約束をしていました。

– 今回のコラボレーションの経緯、デザインについてどうですか?

国 : MarkからカスタムしたPuma BASKETの写真が送られてきて
「これどう思う?」
と言われて
「すごいかっこいいじゃん。これをコラボレーションで形にしたいよね。」
という話をしていました。
そしてMarkが日本に来る機会があったので、その時に一緒にPuma Japanに行き、Pumaチームのみなさんにこのようなことがやりたいという説明をしました。
このコンタクトソールの付いたCLYDEは元々、日本企画で販売されていた改良品番で、SUEDE、CLYDEよりも後に使われていたテクノロジーが入っているソールユニットをハイブリットしたモデルなんです。そのモデルをMarkが若い時に宮崎県に交換留学で来ていた時があり、このスニーカーに出会った時はまだ若く、お金がそんなに無かったのでMarkの友人達がみんなでプレゼントしてもらったらしくて、スケートボードをしていたという話をPuma Japanで語り出したんですよね。

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M : そのミーティングの時に、コンタクトソールを搭載したCLYDEとの思い出を話したところ、その時はたぶんPumaの人はカジュアルなミーティングだったと思うのですが、その話が出た途端にこれはもうパーフェクトなストーリーだからこれを作ろうというところまで一気に話が進みました。

国 : Markはカスタムで元々のベースモデルを高い次元に昇華させることが得意なのですが、ブランドとのコラボレーションだからこそ出来ることを盛り込みたかったので、例えば、既存で流通しているモノと違うモノを作るということはブランドの協力が無いと出来ないことですし、プリントの仕方もスウェードの素材感を残しつつMarkの独創的なカモフラージュをプリントしたかったということがあるので、今回は特殊なプリントを模索して3回くらいサンプルを作って頂きました。

M : このような普段無いモノを作るには理由がしっかりしていないとなかなか難しいと思いますが、今回はそのような意味では十分なストーリーが盛り込まれたプロダクトになっていると思います。

国 : CLYDEはNBAプレイヤー、SUEDEはサブカルチャーと密接にリンクしていたりなど、様々なストーリーがあると思いますが、今回は純粋に日本におけるPumaの歴史とMarkが実際、若い頃に体験したストーリーを盛り込んで形にできました。

M : 自分が幼い頃にこのモデルを買ってくれた友達との友情もそうですし、このように繋いでくれた国井さんとの友情の証のプロダクトだと思います。

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– 現在のシンガポールのスニーカー市場はどのように感じますか?

M : いくつもの世代が折り重なっていると感じます。様々な年代の人たちがスニーカーに夢中になっています。それは本当に幅広いモノになっていて、例えば若い人たちは父親と一緒にスニーカーのコレクションをしていたりなど、今まさに始まっています。
このようなスニーカーシーンというのは絶えるものではなく、今後も次の世代へと受け継がれていくのではないかと考えています。
これはシンガポールだけではなく、世界的な現象なのかもしれません。

– 現在の日本のスニーカー市場はどのように感じますか?

国 : 90年代中盤以来のスニーカーの大きなトレンドになっていると思います。90年代は日本で起きた局地的な大きなバズだったと思います。でも今は本当に世界中を巻き込んで、インターネットの発達もありSNSで常に同時進行で世界中が動いているので、このように日本から提案するコラボレーションは、世界的にコントロールができるようになったというか、インターネットによって世界がフラットになったので、すごく特殊な思い入れや地域性のアイデアを盛り込むことがコラボレーションの意味や意義だと考えています。

M : 国井さんが言ったように90年代というのは、本当にインターネットも無かったので、印刷物が情報源の全てで、今とは全く異なるカルチャーだったと思います。ただ、自分にとってはあの時がある意味スニーカーカルチャーにとって黄金時代だったのではないかなと思っています。
当時スニーカーを作っているブランドにとっては、ただ単にスニーカーを売っていただけのこと。スニーカーブームやカルチャーを作ったのはそれをコレクターとして集めている人たちが作り出したと思います。
例えば、現在ストリートウェアと呼ばれているモノも当時は無かった。スポーツウェアをストリートで着こなしていた人たちが、そのカルチャーを作ってきたと思っています。

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– 今年を振り返ってどのような一年でしたか?

国 : いろいろあったなと思います。テレビ出演や、11月28日から始まったSNEAKER HEADZの映画もあったり、昔からの友達とのコラボレーションもできましたし、いつもスニーカーのことをやっているのですが、毎年今まで想像しなかったようなことが毎年アップデートされて色々できているので、来年、再来年も今の自分が想像出来なかったことが何か起きるかもしれないし、それを楽しみにしています。

M : この世界に入って12年が経ちますが、今年が一番良かったと言っても良いんじゃないかなと思っています。2週間前はロンドンベースの防水スプレーCREP PROTECTORとのコラボレーション、今回のPumaとmita sneakersとのコラボレーションの発表、12月にasicsとのコラボレーションも発表する予定で、このようなことが次々に進むことは本当に今までは無かったことです。

– 来年のスニーカー市場はどのように考えていますか?

国 : ここ数年で老若男女問わずに様々な年齢層からスニーカーが注目されているので、トレンドとして見ている方々も居るかも知れませんが、一過性のトレンドではなく、スニーカーに興味を持ってくれた人たちがそのままずっとスニーカーを好きになって欲しいというか、2、3年前からずっとスニーカーがフォーカスされている中でその人たちが来年もスニーカーを好きで居て欲しいし、今回のようにまたMarkと一緒にスニーカーに興味を持ってくれた人たちが面白いと思ってくれるような提案ができると良いなと思います。

M : 自分はアーティストなのでトレンドを追いかけている訳では無いのですが、昨今のスニーカーシーンを見ていると、スニーカーが新しい刺激を市場に与え続けているのではないのはないかと思います。
特にmita sneakersのようなショップが、様々なプロジェクトを立ち上げ、いろいろなスニーカーを投下することで市場が活気づいているのではないかなと思います。
自分がこのようなプロジェクトに関わらせてもらって、自分の関わっている部分は小さいと思いますが、興奮や刺激になっているモノに対して自分ができることをしていきたいなと思います。
スニーカーカルチャーは若く、例えばビールの醸造は何百年という歴史がありますが、スニーカーというところで見ると、数十年マーケットにあるのかもしれませんが、スニーカーカルチャーというところで見ると、まだ全然若いので自分としてはそこに関わることができて嬉しく思っていますし、今まさに自分たちが歴史を描いていると考えています。

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– Pumaで今、気になるモデルは何でしょうか?

国 : SUEDE、CLYDEはヘリテージ性というかサブカル、スポーツなどのストーリー込みで好きですが、スポーツブランドなのでイノベーションだったりテクノロジーで考えるとDISCがアイコニックで良いですね。
DISCを自動で締めることができる動画がリークで流れていて、これは世界中の人たちが興味を持っています。DISCの次の進化も楽しみですし、来年はDISCが楽しみです。

M : DISCでいうと、何年か前にミハラヤスヒロとのコレクションで発表されていた、ドレスシューズのようなDISCがありましたが、それがすごく印象に残っています。全くスニーカーとは違う解釈のシューズだったのですごく印象的でした。
あともう一つ、自分がすごく印象に残っているモデルは90年代になりますが、SLIPSTREAMというモデルをベースに作られたTHE BEASTというモデルがありましたが、大阪に行った時にそのモデルをオーバーサイズで履き、紐をすごく締めているスタイルが流行っていたようで、それがすごく印象に残っています。

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– お二人にとってPumaの魅力とは?

国 : Pumaの魅力は、いつでもアプローチがすごくユニークで、例えばフットボールやランニングなどのカテゴリーのプロダクトはストイックで素晴らしいですが、その他のアイテムも切り口がユニークで、
「それ面白そうだからやってみよう。」
というようなスタンスが多く、今回の話を持ち込んだ時も
「とりあえず話だけでも聞いて欲しい。」
という思いでしたが、どんどん進めようみたいな。Markが昔の話をした時に、
「それ多分カタログあるかも。」
とカタログ探して
「これじゃない?」
というように出してきたりなど。
いろいろなコトに対してすごくPumaは耳を傾けてくれるし、もちろん僕たちだけじゃなく、消費者に対しても耳を傾けてくれたり、他のブランドとは違う満たし方をしてくれます。例えばファッションデザイナーを用いたコラボレーションをしたのもPumaが最初でしたし、そのような意味で先見の明を持っているブランドだと思うので、そのスタンスをずっと貫いて欲しいと思います。

M : Pumaの、とあるプロジェクトでシルクスクリーンのプリントをデザインに施して一つ一つユニークなスニーカーを作るプロジェクトがあったと聞き、そのようなアプローチをするブランドはすごく面白いと思います。実際、今回自分のプロジェクトに関しても自分達の意見をすごく色々取り入れてくれて、理解のあるスタンスがすごくいいなと思います。
あと、自分はウサイン・ボルトの大ファンで、そのようなアスリートがいるとパフォーマンスのブランドとしてもプレゼンスもすごく上がると思いますし、カルチャーとスポーツの両方の目を持っているところが魅力だと思います。

Puma CLYDE CONTACT “First Contact” “SBTG x mita sneakers”
発売日  : 2015年11月14日(土)
カラー  : BLK/CAMO(360991-02)、OLV/CAMO(360991-01)
価格   : 16,200円(税込)
取扱店舗 : mita sneakers、LEFTFOOT、Limited Edt(BLK/CAMO)、世界キーアカウント店舗(OLV/CAMO)

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